「俺が、藍さんを特別に想ってたら、どうするんです。あんな状況、襲いかねませんよ」
思いもよらない与一の言葉に、藍は目玉が落ちるかと思うほどに、目を見開いた。
そのまましばらく、じっと与一を見ていた藍は、不意にがばっと与一に抱きつき、布団にぐいぐい顔を押しつける。
「まあぁぁっ! いつでも能面のような、感情なしのよいっちゃんから、そんな言葉が聞けるなんてっ。お母さん、嬉しいわ~っ」
「・・・・・・あのね・・・・・・」
布団を被ったまま、与一は上体を起こした。
自分の小袖を探すが、見あたらない。
「藍さん。俺の小袖は・・・・・・」
先程の注意も意味なく、いまだに与一に引っ付いたままの藍に聞くと、身体は引っ付けたまま、藍は顔だけを上げて、ちらりと戸口近くに置かれたたらいに目をやった。
「ああ、血だらけだったから、洗おうと思って。着物は切り刻まれちゃったから、もう着られないわね~。・・・・・・ところで」
再び藍が、ずいっと与一に顔を寄せる。
「よいっちゃんは、あたしのこと、家族と思ってないんでしょ? ねぇ、あたしは、よいっちゃんの、何なの?」
やけに真剣な目で見上げる藍に、与一はたじろいだ。
質問の内容も内容だが、小袖一枚しか隔てていない藍の感触に、再び心拍数が上がる。
思いもよらない与一の言葉に、藍は目玉が落ちるかと思うほどに、目を見開いた。
そのまましばらく、じっと与一を見ていた藍は、不意にがばっと与一に抱きつき、布団にぐいぐい顔を押しつける。
「まあぁぁっ! いつでも能面のような、感情なしのよいっちゃんから、そんな言葉が聞けるなんてっ。お母さん、嬉しいわ~っ」
「・・・・・・あのね・・・・・・」
布団を被ったまま、与一は上体を起こした。
自分の小袖を探すが、見あたらない。
「藍さん。俺の小袖は・・・・・・」
先程の注意も意味なく、いまだに与一に引っ付いたままの藍に聞くと、身体は引っ付けたまま、藍は顔だけを上げて、ちらりと戸口近くに置かれたたらいに目をやった。
「ああ、血だらけだったから、洗おうと思って。着物は切り刻まれちゃったから、もう着られないわね~。・・・・・・ところで」
再び藍が、ずいっと与一に顔を寄せる。
「よいっちゃんは、あたしのこと、家族と思ってないんでしょ? ねぇ、あたしは、よいっちゃんの、何なの?」
やけに真剣な目で見上げる藍に、与一はたじろいだ。
質問の内容も内容だが、小袖一枚しか隔てていない藍の感触に、再び心拍数が上がる。


