「と、とりあえず、これ着てください」
布団の中で渡された小袖を受け取った藍に、与一はやっと手を離した。
「ああ、あたしが裸だから、びっくりしたの?」
そこでやっとわかったように、藍は身体を起こすと、手早く小袖をつけた。
もっとも、理由がわかったからといって、恥じらう素振りも見せない。
藍が裸なのにも驚いたが、与一は自分も裸だったからこそ、驚きが倍増したのだが。
やっと小袖を着た藍は、再びずいっと顔を近づけて、与一の首を覗き込んだ。
そっと、藍の冷たい手が、首に触れる。
「ほら、傷が熱持っちゃってるでしょ。そのせいで、体温もおかしくなってるのね。今は熱、上がりきったみたいだけど、上がるまでは、よいっちゃん、寒そうで震えてたから、あたしが暖めてあげたのよ」
そういえば、意識はなかったが、寒くてたまらなかったのは覚えている。
だが、それも少しの間で、すぐに暖かいものが、ふわりと包んでくれた。
ほのかに甘い香りを伴ったそれに包まれていると、酷く安心できたのだ。
与一は頭を抱えた。
とんでもなく恥ずかしい。
布団の中で渡された小袖を受け取った藍に、与一はやっと手を離した。
「ああ、あたしが裸だから、びっくりしたの?」
そこでやっとわかったように、藍は身体を起こすと、手早く小袖をつけた。
もっとも、理由がわかったからといって、恥じらう素振りも見せない。
藍が裸なのにも驚いたが、与一は自分も裸だったからこそ、驚きが倍増したのだが。
やっと小袖を着た藍は、再びずいっと顔を近づけて、与一の首を覗き込んだ。
そっと、藍の冷たい手が、首に触れる。
「ほら、傷が熱持っちゃってるでしょ。そのせいで、体温もおかしくなってるのね。今は熱、上がりきったみたいだけど、上がるまでは、よいっちゃん、寒そうで震えてたから、あたしが暖めてあげたのよ」
そういえば、意識はなかったが、寒くてたまらなかったのは覚えている。
だが、それも少しの間で、すぐに暖かいものが、ふわりと包んでくれた。
ほのかに甘い香りを伴ったそれに包まれていると、酷く安心できたのだ。
与一は頭を抱えた。
とんでもなく恥ずかしい。


