「俺は、衆道者じゃない・・・・・・。仲間にしないでくれ」
憎々しそうに、辰巳が呟いた。
辰巳自身が旦那を惹きつけていたのは事実なのだが、それは辰巳のせいではないのだ。
「比和の守り役のところに落ち着いたものの、お福を通して、東側の手が伸びてきた。それもこれも、お福がわらわのことを漏らしたからじゃ」
たまが、風弥を顎で指して言う。
「危険を感じた北御所様は、わらわを再び呼び戻そうと、現斎王に相談したんじゃな。それが、お福の母親じゃ。お主は、斎王が選んだ、迎えの者じゃろ」
藍を見て、自信たっぷりに言うたまだったが、意外にも藍は、ふるふると首を振った。
「確かにあたしたちは、御珠を取り返せっていう依頼を受けた。でも、北御所様からじゃないわ・・・・・・」
「にゃんじゃと?」
藍は、ちら、と風弥を見た。
基本的に、依頼主は極秘事項だ。
本来殺しの依頼の場合は、依頼主そのものがわからないのが普通なのだが。
藍の手元に来るのは、的の名前の紙と、依頼金のみ。
それさえもらえば、十分なのだ。
「・・・・・・いいんじゃねぇか? 今回のことは、普通の依頼じゃねぇし。殺しじゃねぇから、元がわかったところで、やばいことにはならんだろ」
風弥が軽く言う。
そういう風弥の依頼元は、すでにほぼ割れている。
東の風狸だ。
それに、確かに今回の話は殺しの依頼ではないし、風弥の言うように、何らやばいことはないだろう。
憎々しそうに、辰巳が呟いた。
辰巳自身が旦那を惹きつけていたのは事実なのだが、それは辰巳のせいではないのだ。
「比和の守り役のところに落ち着いたものの、お福を通して、東側の手が伸びてきた。それもこれも、お福がわらわのことを漏らしたからじゃ」
たまが、風弥を顎で指して言う。
「危険を感じた北御所様は、わらわを再び呼び戻そうと、現斎王に相談したんじゃな。それが、お福の母親じゃ。お主は、斎王が選んだ、迎えの者じゃろ」
藍を見て、自信たっぷりに言うたまだったが、意外にも藍は、ふるふると首を振った。
「確かにあたしたちは、御珠を取り返せっていう依頼を受けた。でも、北御所様からじゃないわ・・・・・・」
「にゃんじゃと?」
藍は、ちら、と風弥を見た。
基本的に、依頼主は極秘事項だ。
本来殺しの依頼の場合は、依頼主そのものがわからないのが普通なのだが。
藍の手元に来るのは、的の名前の紙と、依頼金のみ。
それさえもらえば、十分なのだ。
「・・・・・・いいんじゃねぇか? 今回のことは、普通の依頼じゃねぇし。殺しじゃねぇから、元がわかったところで、やばいことにはならんだろ」
風弥が軽く言う。
そういう風弥の依頼元は、すでにほぼ割れている。
東の風狸だ。
それに、確かに今回の話は殺しの依頼ではないし、風弥の言うように、何らやばいことはないだろう。


