「しょうがねぇなぁ」
泣き出しそうな藍から、ひょいと与一を受け取ると、風弥は軽々と与一を肩に担ぎ上げた。
そのままさっさと、庭の先にある勝手口に向かって歩き出す。
「ほら。さっさと来ないと、見つかるぜ・・・・・・。おっと」
大木の傍まで来たときに、その木の下に倒れている竜胆丸の死骸を目にした風弥は、空に向かって短く口笛を吹いた。
たちまち黒装束の男が二人、どこからか飛来する。
「この死体を頼む」
風弥が顎で竜胆丸を示すと、黒装束の二人組は、早速竜胆丸に取り付いた。
「ほれ、お前もだよ。その猫連れて、さっさと来い。厄介事に、巻き込まれたくないだろう?」
へたり込んでいる辰巳に声をかけると、風弥は最早竜胆丸には見向きもせず、足早に木戸の向こうに消えた。
藍と、たまを抱いた辰巳も、慌てて後に続く。
小走りで与一を抱えた風弥の後を追いながら、藍はちらりと後ろを振り返った。
「ねぇ、さっきのは? あなたの仲間?」
「ああ。後始末屋ってのかね。竜胆丸の死体を、あのままにゃしておけないだろ」
「あなたの組織は、随分大きな組織のようね」
「そうでもないさ。あまり多いと、いろいろ不便だしな」
泣き出しそうな藍から、ひょいと与一を受け取ると、風弥は軽々と与一を肩に担ぎ上げた。
そのままさっさと、庭の先にある勝手口に向かって歩き出す。
「ほら。さっさと来ないと、見つかるぜ・・・・・・。おっと」
大木の傍まで来たときに、その木の下に倒れている竜胆丸の死骸を目にした風弥は、空に向かって短く口笛を吹いた。
たちまち黒装束の男が二人、どこからか飛来する。
「この死体を頼む」
風弥が顎で竜胆丸を示すと、黒装束の二人組は、早速竜胆丸に取り付いた。
「ほれ、お前もだよ。その猫連れて、さっさと来い。厄介事に、巻き込まれたくないだろう?」
へたり込んでいる辰巳に声をかけると、風弥は最早竜胆丸には見向きもせず、足早に木戸の向こうに消えた。
藍と、たまを抱いた辰巳も、慌てて後に続く。
小走りで与一を抱えた風弥の後を追いながら、藍はちらりと後ろを振り返った。
「ねぇ、さっきのは? あなたの仲間?」
「ああ。後始末屋ってのかね。竜胆丸の死体を、あのままにゃしておけないだろ」
「あなたの組織は、随分大きな組織のようね」
「そうでもないさ。あまり多いと、いろいろ不便だしな」


