そういやさっき、藍さんもこいつのことを‘醜い’と言ったっけな、と思いつつ、与一は少々呆れ気味に、目の前で顔を真っ赤にして憤慨する竜胆丸を眺めた。
「お前なんて、ちょいと人より見目が良いってだけじゃないか! 僕の美しさの前では、霞みたいなもんだ! その程度でお頭を寝取ろうなんて、愚の骨頂だ!!」
しら・・・・・・と、白けきった空気が流れる。
心底呆れた顔の与一に、竜胆丸は、熱くなった自分を恥じるように、一つ息をついた。
「いかん。僕ともあろう者が、柄にもなく取り乱してしまった。・・・・・・とにかく、お頭は、渡さないからな!」
「・・・・・・くれると言われても、いらねぇが」
ぼそ、と呟いた与一に、再び竜胆丸のこめかみが、ぴくりと反応する。
「僕のお頭に対して、その言いぐさは何だぁ!!」
叫ぶなり竜胆丸は、脇差しを突き出しながら、突進してきた。
---速い・・・・・・!---
与一はぎりぎりで身体を捻り、脇差しを避ける。
だが脇差しは、次々と突き出される。
言うことは的外れだが、風弥のお気に入りだけに、やはり腕も相当だ。
しかも小憎らしいことに、攻撃中も己の姿をいかに美しく見せるかということも、忘れていない。
動きそのものが、舞いのように、しなやかだ。
「お前なんて、ちょいと人より見目が良いってだけじゃないか! 僕の美しさの前では、霞みたいなもんだ! その程度でお頭を寝取ろうなんて、愚の骨頂だ!!」
しら・・・・・・と、白けきった空気が流れる。
心底呆れた顔の与一に、竜胆丸は、熱くなった自分を恥じるように、一つ息をついた。
「いかん。僕ともあろう者が、柄にもなく取り乱してしまった。・・・・・・とにかく、お頭は、渡さないからな!」
「・・・・・・くれると言われても、いらねぇが」
ぼそ、と呟いた与一に、再び竜胆丸のこめかみが、ぴくりと反応する。
「僕のお頭に対して、その言いぐさは何だぁ!!」
叫ぶなり竜胆丸は、脇差しを突き出しながら、突進してきた。
---速い・・・・・・!---
与一はぎりぎりで身体を捻り、脇差しを避ける。
だが脇差しは、次々と突き出される。
言うことは的外れだが、風弥のお気に入りだけに、やはり腕も相当だ。
しかも小憎らしいことに、攻撃中も己の姿をいかに美しく見せるかということも、忘れていない。
動きそのものが、舞いのように、しなやかだ。


