地を蹴って、竜胆丸の蹴りからは逃れたが、手から組紐が外れてしまった。
竜胆丸は十分間合いを取り、激しく咳き込みながらも、首の紐を外す。
そして、燃えるような目で与一を睨んだ。
「お頭は、僕のものだっ!」
叫ぶと同時に、竜胆丸は、どこから出したのか、細身の脇差しを振るう。
「知ったことか!」
与一も腰の小太刀を引き抜き、眼前に迫った脇差しを受ける。
キィンという金属音と共に、両者の間に火花が散る。
竜胆丸は、ぱっと脇差しを引くと、反対の手で与一の頬を引っ掻いた。
爪が尖っているのだろう、普通に引っ掻いただけではあり得ないほど、頬の肉が抉られた。
「楽になど、殺してやるものか。その顔、二目と見られなくしてやる」
汚らわしいものを払うように、竜胆丸は与一の血に濡れた手を振りながら言った。
竜胆丸の殺意は、御珠を奪う仕事よりも、風弥の興味を惹いた藍と与一に対する、嫉妬によるもののようだ。
最早御珠のことなど、頭にないように見える。
「みっともないねぇ。男の嫉妬は、醜いぜ」
口の横に流れた血をぺろりと舐め、馬鹿にしたように言う与一に、竜胆丸が激昂する。
「何だと! お前ら、揃いも揃って僕のことを、醜いだと!」
竜胆丸は十分間合いを取り、激しく咳き込みながらも、首の紐を外す。
そして、燃えるような目で与一を睨んだ。
「お頭は、僕のものだっ!」
叫ぶと同時に、竜胆丸は、どこから出したのか、細身の脇差しを振るう。
「知ったことか!」
与一も腰の小太刀を引き抜き、眼前に迫った脇差しを受ける。
キィンという金属音と共に、両者の間に火花が散る。
竜胆丸は、ぱっと脇差しを引くと、反対の手で与一の頬を引っ掻いた。
爪が尖っているのだろう、普通に引っ掻いただけではあり得ないほど、頬の肉が抉られた。
「楽になど、殺してやるものか。その顔、二目と見られなくしてやる」
汚らわしいものを払うように、竜胆丸は与一の血に濡れた手を振りながら言った。
竜胆丸の殺意は、御珠を奪う仕事よりも、風弥の興味を惹いた藍と与一に対する、嫉妬によるもののようだ。
最早御珠のことなど、頭にないように見える。
「みっともないねぇ。男の嫉妬は、醜いぜ」
口の横に流れた血をぺろりと舐め、馬鹿にしたように言う与一に、竜胆丸が激昂する。
「何だと! お前ら、揃いも揃って僕のことを、醜いだと!」


