「何を言ってるんだ。俺は、お前が男だろうが女だろうが、構わんよ。どっちだって、あの美しい人物に、違いはないだろう?」
少し身体を離したからといって、藍を離したわけではない。
本当にすこぅし、身体を反らせただけで、藍の身体には、がっちりと風弥の腕が絡みついている。
「俺は別に、男が好きなわけではないよ。美しいものが好きなのさ」
再び顔を藍に寄せ、耳たぶに触れるほどの距離で、風弥が囁く。
藍の身体を、怖気が走る。
と、いきなり風弥が、片手をぱっと藍から離した。
風弥の腕を掠めて、苦無が地面に突き刺さる。
「てめぇ。いつまでも藍さんにくっついてるんじゃねぇよ」
竜胆丸の首に巻き付けた紐を握ったまま、与一が低い声で凄む。
足元にあった苦無を、与一が弾き飛ばしたのだ。
「ふ。嫉妬か? だが、さっきお前が言ったように、油断するのは、相手の息の根を止めてからにするんだな」
相変わらず片手で藍を抱いたまま、風弥がにやりと笑う。
途端に与一の前の竜胆丸が、いきなりぐい、と身体を前に屈めると同時に、足を後ろへ蹴り出した。
「お前も、犬死にさせるには惜しい男だ。頑張ってくれよ」
楽しそうに、風弥が言う。
少し身体を離したからといって、藍を離したわけではない。
本当にすこぅし、身体を反らせただけで、藍の身体には、がっちりと風弥の腕が絡みついている。
「俺は別に、男が好きなわけではないよ。美しいものが好きなのさ」
再び顔を藍に寄せ、耳たぶに触れるほどの距離で、風弥が囁く。
藍の身体を、怖気が走る。
と、いきなり風弥が、片手をぱっと藍から離した。
風弥の腕を掠めて、苦無が地面に突き刺さる。
「てめぇ。いつまでも藍さんにくっついてるんじゃねぇよ」
竜胆丸の首に巻き付けた紐を握ったまま、与一が低い声で凄む。
足元にあった苦無を、与一が弾き飛ばしたのだ。
「ふ。嫉妬か? だが、さっきお前が言ったように、油断するのは、相手の息の根を止めてからにするんだな」
相変わらず片手で藍を抱いたまま、風弥がにやりと笑う。
途端に与一の前の竜胆丸が、いきなりぐい、と身体を前に屈めると同時に、足を後ろへ蹴り出した。
「お前も、犬死にさせるには惜しい男だ。頑張ってくれよ」
楽しそうに、風弥が言う。


