「ほぉ。あの毒が効かぬか」
少し目を見開いているものの、相変わらず面白そうに、風弥が呟いた。
毒が何かはわからないが、全く効いてないわけではない。
実際、さっきの目眩は相当なものだったし、実は今でも平衡感覚は怪しい。
与一のすぐ前まで引き戻された竜胆丸に、もたれるようにして紐を引っ張っているため、立っていられる程度だ。
確かに、この程度で済んでいるのも、おそらく毒に対する耐性があるからこそだが。
「あたしの一番を、甘く見ないで欲しいわね」
藍が、口角を上げる。
その壮絶なまでの美貌に、風弥は思わず呑まれそうになった。
「綺麗なお嬢ちゃん。お前さんが噂の殺し屋だとしても、その顔を傷つけるのは、いかな俺でも躊躇するな。その前に、お前さんのようなお嬢ちゃんが、この俺の相手など、務まるわけがなかろう?」
藍に気を呑まれないよう、風弥は努めて冷静に言った。
が、藍は余裕たっぷりに、にこりと笑う。
「お気遣い、有り難う。その色子のほっぺたには傷をつけたのに、あたしの顔に傷をつけるのは躊躇するってことは、あたしはそいつよりも、上ってことよね」
挑発するような藍の言葉に、竜胆丸の目が吊り上がる。
「でも、お互い二対二なら、頭の相手は、頭がするべきでしょ」
藍が口角を上げたまま、ゆっくりと身構える。
その動きを見て、風弥も表情を引き締めた。
少し目を見開いているものの、相変わらず面白そうに、風弥が呟いた。
毒が何かはわからないが、全く効いてないわけではない。
実際、さっきの目眩は相当なものだったし、実は今でも平衡感覚は怪しい。
与一のすぐ前まで引き戻された竜胆丸に、もたれるようにして紐を引っ張っているため、立っていられる程度だ。
確かに、この程度で済んでいるのも、おそらく毒に対する耐性があるからこそだが。
「あたしの一番を、甘く見ないで欲しいわね」
藍が、口角を上げる。
その壮絶なまでの美貌に、風弥は思わず呑まれそうになった。
「綺麗なお嬢ちゃん。お前さんが噂の殺し屋だとしても、その顔を傷つけるのは、いかな俺でも躊躇するな。その前に、お前さんのようなお嬢ちゃんが、この俺の相手など、務まるわけがなかろう?」
藍に気を呑まれないよう、風弥は努めて冷静に言った。
が、藍は余裕たっぷりに、にこりと笑う。
「お気遣い、有り難う。その色子のほっぺたには傷をつけたのに、あたしの顔に傷をつけるのは躊躇するってことは、あたしはそいつよりも、上ってことよね」
挑発するような藍の言葉に、竜胆丸の目が吊り上がる。
「でも、お互い二対二なら、頭の相手は、頭がするべきでしょ」
藍が口角を上げたまま、ゆっくりと身構える。
その動きを見て、風弥も表情を引き締めた。


