「・・・・・・っな、何しやがんでいっ! 気色の悪い・・・・・・」
「ふふ。この前の坊主もなかなか良かったが、お前さんも良いねぇ。大人になりたての、独特の色気がある」
身軽に飛び退って、与一の小太刀を避けた風弥が、余韻を堪能するように、己の唇を指でなぞる。
その仕草に、ぞぞぞっと背筋を震わせて、与一は小太刀とは反対の手に持っていた苦無を投げつけた。
「てめえっ! 勝手に人を、衆道者扱いするんじゃねぇよ!」
風弥の意識が苦無に行った一瞬に、与一は飛び込みざま、小太刀を振るった。
が、不意に強烈な目眩に襲われ、体勢を崩してしまう。
「!?」
たたらを踏んで、何とか踏み留まったものの、あまりの目眩に、やはり地面に手をついてしまう。
---さっきの・・・・・・! 口に何か、仕込んでやがった・・・・・・---
顔を上げれば、相変わらず目を細めて薄ら笑いを浮かべる風弥が目に入る。
先の接吻は、単なる欲望ではなく、ちゃんとした攻撃の意味があったのだ。
風弥は再び与一に近づき、前に片膝をつくと、与一の顎を指先でひょいと持ち上げた。
「お庭番は、いわゆる忍びだぜ。目に見える武器を使うとは限らない。ま、経口ものは、見目良い奴にしか使わねぇがな。気持ちよく仕事、したいだろう?」
「・・・・・・だ、誰が・・・・・・男に接吻されて・・・・・・喜ぶか・・・・・・」
必死で意識を保とうとするが、最早眼前の風弥の表情さえ、定かでない。
---ちくしょう・・・・・・。油断した・・・・・・---
「ふふ。この前の坊主もなかなか良かったが、お前さんも良いねぇ。大人になりたての、独特の色気がある」
身軽に飛び退って、与一の小太刀を避けた風弥が、余韻を堪能するように、己の唇を指でなぞる。
その仕草に、ぞぞぞっと背筋を震わせて、与一は小太刀とは反対の手に持っていた苦無を投げつけた。
「てめえっ! 勝手に人を、衆道者扱いするんじゃねぇよ!」
風弥の意識が苦無に行った一瞬に、与一は飛び込みざま、小太刀を振るった。
が、不意に強烈な目眩に襲われ、体勢を崩してしまう。
「!?」
たたらを踏んで、何とか踏み留まったものの、あまりの目眩に、やはり地面に手をついてしまう。
---さっきの・・・・・・! 口に何か、仕込んでやがった・・・・・・---
顔を上げれば、相変わらず目を細めて薄ら笑いを浮かべる風弥が目に入る。
先の接吻は、単なる欲望ではなく、ちゃんとした攻撃の意味があったのだ。
風弥は再び与一に近づき、前に片膝をつくと、与一の顎を指先でひょいと持ち上げた。
「お庭番は、いわゆる忍びだぜ。目に見える武器を使うとは限らない。ま、経口ものは、見目良い奴にしか使わねぇがな。気持ちよく仕事、したいだろう?」
「・・・・・・だ、誰が・・・・・・男に接吻されて・・・・・・喜ぶか・・・・・・」
必死で意識を保とうとするが、最早眼前の風弥の表情さえ、定かでない。
---ちくしょう・・・・・・。油断した・・・・・・---


