「よいっちゃん、家には帰ってないわ。早開きの屋台でご飯食べるって言ってたし。そのまま出かけると思う」
元々家を教えるわけにはいかないが、ここでは嘘をつく必要はない。
藍は真実を言った。
早く与一に会いたい藍にとっては、今日の与一の予定は有り難かったが、三郎太は渋い顔をする。
「そうなのか? 困ったなぁ。それじゃ、どこにいるかわからねぇ」
普通の人なら、これだけの情報では、与一の居場所は限定できない。
だが藍は違う。
「きっと、市の入り口辺りの川沿いに出てる、早開きの屋台にいると思う。あの辺、色町に近いから、朝から開いてる屋台が多いの」
「なるほど。でも、人も結構いそうだな」
何とかなるかな、と呟きながら、三郎太は襖を少し開け、ぱんぱんと手を打った。
「お呼びでしょうかっ」
朔太郎が飛んで来、さっと廊下に正座する。
三郎太は思わず苦笑いを浮かべた。
「お前か。う~ん、まぁしょうがねぇ。俺の知り合いの、与一って男を連れてきて欲しいんだが。あ、そうだ。前に来たとき、確か五平が対応してた。あいつなら、与一の顔がわかるし、五平を呼んでくれ」
「いえ! 僕がっ!」
ずいっと膝を進めて、朔太郎が三郎太に詰め寄る。
三郎太はちょっと驚き、眉間に皺を寄せる。
元々家を教えるわけにはいかないが、ここでは嘘をつく必要はない。
藍は真実を言った。
早く与一に会いたい藍にとっては、今日の与一の予定は有り難かったが、三郎太は渋い顔をする。
「そうなのか? 困ったなぁ。それじゃ、どこにいるかわからねぇ」
普通の人なら、これだけの情報では、与一の居場所は限定できない。
だが藍は違う。
「きっと、市の入り口辺りの川沿いに出てる、早開きの屋台にいると思う。あの辺、色町に近いから、朝から開いてる屋台が多いの」
「なるほど。でも、人も結構いそうだな」
何とかなるかな、と呟きながら、三郎太は襖を少し開け、ぱんぱんと手を打った。
「お呼びでしょうかっ」
朔太郎が飛んで来、さっと廊下に正座する。
三郎太は思わず苦笑いを浮かべた。
「お前か。う~ん、まぁしょうがねぇ。俺の知り合いの、与一って男を連れてきて欲しいんだが。あ、そうだ。前に来たとき、確か五平が対応してた。あいつなら、与一の顔がわかるし、五平を呼んでくれ」
「いえ! 僕がっ!」
ずいっと膝を進めて、朔太郎が三郎太に詰め寄る。
三郎太はちょっと驚き、眉間に皺を寄せる。


