「あの、ちょっと気分が悪いので、お嬢さんのお部屋で、休ませていただくの」
「何と! それはいけません! お任せください!!」
言うなり朔太郎は、いきなり藍を、初めのように、がばっと抱き上げた。
「うにゃーーーーーーっっ!!!」
またも藍が叫び声を上げる。
二度までも抱き上げられ、藍は今度こそ、遠慮無く暴れまくった。
「ちょ、ちょっと。お嬢さん、大丈夫ですよ。僕に任せてくださいって」
遠慮無くとはいえ、いつもの通りなら、迷わず相手の急所を狙うところを、一応我慢して、足をばたばたさせたり、両手で朔太郎の顔を押し上げたりするに留めている。
だが元々体術が染み込んだ身体だし、反射神経は並大抵の鋭さではない。
藍は普通の娘が暴れた程度のつもりだったが、お蓉の部屋に辿り着いたときには、朔太郎の顔は傷だらけだった。
朔太郎は、やっとの思いで藍を下ろすと、ぺたりとその場にへたり込んだ。
畳の上に下ろされた藍は、朔太郎など気にもせず、いきなりそのまま突っ伏して泣き喚いた。
「わあぁぁぁん!」
「あ、あの・・・・・・」
藍のあまりの嘆きっぷりに、朔太郎はすっかり狼狽し、三郎太に命じられた座布団と脇息の用意も忘れている。
「何と! それはいけません! お任せください!!」
言うなり朔太郎は、いきなり藍を、初めのように、がばっと抱き上げた。
「うにゃーーーーーーっっ!!!」
またも藍が叫び声を上げる。
二度までも抱き上げられ、藍は今度こそ、遠慮無く暴れまくった。
「ちょ、ちょっと。お嬢さん、大丈夫ですよ。僕に任せてくださいって」
遠慮無くとはいえ、いつもの通りなら、迷わず相手の急所を狙うところを、一応我慢して、足をばたばたさせたり、両手で朔太郎の顔を押し上げたりするに留めている。
だが元々体術が染み込んだ身体だし、反射神経は並大抵の鋭さではない。
藍は普通の娘が暴れた程度のつもりだったが、お蓉の部屋に辿り着いたときには、朔太郎の顔は傷だらけだった。
朔太郎は、やっとの思いで藍を下ろすと、ぺたりとその場にへたり込んだ。
畳の上に下ろされた藍は、朔太郎など気にもせず、いきなりそのまま突っ伏して泣き喚いた。
「わあぁぁぁん!」
「あ、あの・・・・・・」
藍のあまりの嘆きっぷりに、朔太郎はすっかり狼狽し、三郎太に命じられた座布団と脇息の用意も忘れている。


