「あの辰巳に溺れている外道が、お福さんのことを想ってそんなことをするとは思えません。あの男は、いい歳をして若いお福さんを娶ったにも関わらず、男にうつつを抜かすような輩(やから)なのですよ。そのような者を庇うなど、あなたもそっちの人だからなのではないですか?」
「何で俺まで巻き込む。大体、だったらこいつは何なんだい?」
お蓉の相手が面倒になり、与一はわざと見せつけるように、膝の上の藍を抱きしめた。
藍は藍で、うにゃっ? と言いながらも、嬉しそうに抱きついてくる。
「そーよぅ。あたしとよいっちゃんは熱々なんだから、男になんて、目がいくはずないでしょう~」
藍はここぞとばかりに、与一の頬に己の頬をつけて言う。
そのあまりの密着ぶりに、三郎太もお蓉も、目のやり場に困るように、視線を彷徨わせた。
もう素顔を隠さなくてもいいんだろうか、と、与一は肩まで落ちた布団を横目で見た。
「わ、わかりました。衆道者扱いしたことは、謝ります。けど、下駄屋の旦那がお福さんを想って御珠を辰巳に託したのでは、断じてありません」
「そうかい」
赤くなりながらも、きっぱりと言うお蓉に、与一は面倒くさそうに軽く頷いた。
「何で俺まで巻き込む。大体、だったらこいつは何なんだい?」
お蓉の相手が面倒になり、与一はわざと見せつけるように、膝の上の藍を抱きしめた。
藍は藍で、うにゃっ? と言いながらも、嬉しそうに抱きついてくる。
「そーよぅ。あたしとよいっちゃんは熱々なんだから、男になんて、目がいくはずないでしょう~」
藍はここぞとばかりに、与一の頬に己の頬をつけて言う。
そのあまりの密着ぶりに、三郎太もお蓉も、目のやり場に困るように、視線を彷徨わせた。
もう素顔を隠さなくてもいいんだろうか、と、与一は肩まで落ちた布団を横目で見た。
「わ、わかりました。衆道者扱いしたことは、謝ります。けど、下駄屋の旦那がお福さんを想って御珠を辰巳に託したのでは、断じてありません」
「そうかい」
赤くなりながらも、きっぱりと言うお蓉に、与一は面倒くさそうに軽く頷いた。


