与一が軽く首を傾げる。
藍も、ちらりとお蓉を見た。
「彩さんが仰ったように、ご新造であるにも関わらず、お福さんはあそこの旦那に見向きもされておりません。お福さん繋がりで、御珠だって手に入れられたはずなのに、その御珠の管理を、こともあろうに衆道仲間の職人に託すなんて、お福さんにとって、これ以上の侮辱がありましょうか。お福さんは、辰巳から御珠を奪うおつもりなのだと思います。わたくしは、そのきっかけを作って差し上げただけ」
「ついでに、珍しい御珠も見られるしね」
にこりと笑う藍に、話しているうちに怒りで拳を握りしめていたお蓉も、つられて笑った。
与一はしばらく黙って考えていたが、やがて三郎太に向き直った。
「三郎太は、反対なのか?」
いきなり話をふられて、三郎太は驚いたように与一を見た。
「い、いや・・・・・・。う~ん、俺はそこまで知らなかったんだ。ただお嬢さんが、下駄屋に盗みに入るって言うから」
「やっぱり盗みかい」
与一の呟きに、お蓉がつん、と横を向く。
最早取り繕っても仕方ないと思ったようだ。
藍も、ちらりとお蓉を見た。
「彩さんが仰ったように、ご新造であるにも関わらず、お福さんはあそこの旦那に見向きもされておりません。お福さん繋がりで、御珠だって手に入れられたはずなのに、その御珠の管理を、こともあろうに衆道仲間の職人に託すなんて、お福さんにとって、これ以上の侮辱がありましょうか。お福さんは、辰巳から御珠を奪うおつもりなのだと思います。わたくしは、そのきっかけを作って差し上げただけ」
「ついでに、珍しい御珠も見られるしね」
にこりと笑う藍に、話しているうちに怒りで拳を握りしめていたお蓉も、つられて笑った。
与一はしばらく黙って考えていたが、やがて三郎太に向き直った。
「三郎太は、反対なのか?」
いきなり話をふられて、三郎太は驚いたように与一を見た。
「い、いや・・・・・・。う~ん、俺はそこまで知らなかったんだ。ただお嬢さんが、下駄屋に盗みに入るって言うから」
「やっぱり盗みかい」
与一の呟きに、お蓉がつん、と横を向く。
最早取り繕っても仕方ないと思ったようだ。


