すらすらと三郎太たちの思うような子供らしからぬ意見を言い、藍は、ね、と与一を見上げる。
三郎太やお蓉のみならず、与一もなるほど、と感心した。
「でも、お蓉さんには見せるって、お福さん自身が言ったんですよね?」
うっかり与一は、いつもの敬語で呟いてしまった。
さりげなく視線をお蓉に向けて、お蓉に言ったように見せる。
別にお蓉にも敬語など使っていないが、この中で世間的身分が一番高いのが彼女であることは事実である。
お蓉も特に怪しむことなく、素直に頷いた。
「ええ。でも確かに、‘見せられるとしても、真夜中でないと’って言ってました。辰巳が管理してるからって」
「辰巳が寝た後ってことか? そこまでして、見たいもんかね」
与一や藍のように、密命があってどうしても御珠が必要な者ならともかく、ただの欲望のためにそこまでするなど、はっきり言って、気が知れない。
与一は心底呆れた声を出した。
お蓉はそんな与一に怒るでもなく、少し悲しげな顔をした。
「普通のかたなら、そう思うでしょうね。確かに御珠を見たいという気持ちはありますが、それ以上に、お福さんの気を晴らすのに協力したいという気持ちが強いのです」
三郎太やお蓉のみならず、与一もなるほど、と感心した。
「でも、お蓉さんには見せるって、お福さん自身が言ったんですよね?」
うっかり与一は、いつもの敬語で呟いてしまった。
さりげなく視線をお蓉に向けて、お蓉に言ったように見せる。
別にお蓉にも敬語など使っていないが、この中で世間的身分が一番高いのが彼女であることは事実である。
お蓉も特に怪しむことなく、素直に頷いた。
「ええ。でも確かに、‘見せられるとしても、真夜中でないと’って言ってました。辰巳が管理してるからって」
「辰巳が寝た後ってことか? そこまでして、見たいもんかね」
与一や藍のように、密命があってどうしても御珠が必要な者ならともかく、ただの欲望のためにそこまでするなど、はっきり言って、気が知れない。
与一は心底呆れた声を出した。
お蓉はそんな与一に怒るでもなく、少し悲しげな顔をした。
「普通のかたなら、そう思うでしょうね。確かに御珠を見たいという気持ちはありますが、それ以上に、お福さんの気を晴らすのに協力したいという気持ちが強いのです」


