右に左に繰り出される攻撃を確実にかわし続け、一瞬の隙を狙って細い手首を掴んだ与一は、片手で藍の腕を締め上げた。
そのままもう片方の手で藍の背中を押さえ、布団に組み伏せようとした瞬間、藍の身体が反転し、一瞬のうちに与一の下から滑り出す。
すかさず鋭い手刀を与一の首筋目掛けて打ち下ろす藍の手と、同じく藍目掛けて突き出された与一の腕が交差し、ぴたりと止まった。
藍の手は、与一の首筋に。
与一の手は、藍の首筋に。
それぞれ僅かに触れる程度で、動きを止めている。
氷のような冷たい目で与一を見下ろしていた藍は、ふ、と笑うと、手を下ろした。
「よくできましたぁ。さすが、よいっちゃんね」
こういう技を、この十四年間、ずっと叩き込まれてきたのだ。
すでに考えなくても、勝手に身体が動くようになっている。
手や足は、自然と確実に相手を殺す、急所を狙う。
そのままもう片方の手で藍の背中を押さえ、布団に組み伏せようとした瞬間、藍の身体が反転し、一瞬のうちに与一の下から滑り出す。
すかさず鋭い手刀を与一の首筋目掛けて打ち下ろす藍の手と、同じく藍目掛けて突き出された与一の腕が交差し、ぴたりと止まった。
藍の手は、与一の首筋に。
与一の手は、藍の首筋に。
それぞれ僅かに触れる程度で、動きを止めている。
氷のような冷たい目で与一を見下ろしていた藍は、ふ、と笑うと、手を下ろした。
「よくできましたぁ。さすが、よいっちゃんね」
こういう技を、この十四年間、ずっと叩き込まれてきたのだ。
すでに考えなくても、勝手に身体が動くようになっている。
手や足は、自然と確実に相手を殺す、急所を狙う。


