上着を脱ぐと、下着の白い小袖が見事に真っ赤に染まっていた。
小袖の紐を解いたところで、藍が水を替えた桶を持って上がってきた。

「こらっ。起きちゃ駄目じゃない」

・・・・・・裸なんですけど、と思っている与一を気にもせず、藍は部屋を横切ると、箪笥から新しい小袖を取り出して、与一の横に座った。

「でもちょうど良かった。その汚れた着物と小袖、着替えさせようと思ってたから」

言って藍は桶の水に浸した布を絞り、えいっと与一の小袖を広げると、身体についた血を拭い始めた。
与一はただされるがまま座っているのも妙に恥ずかしく、藍の持つ布を押さえた。

「自分でできますよ」

「何言ってるの。気にしてる場合じゃ・・・・・・」

顔を上げた藍は、途中で言葉を呑み込み、不意に立ち上がると、再び箪笥に向かった。