久しぶりに、ぐっすり眠っていた藍は、足首に感じる心地好い感触に目を開けた。
そのまま動かず、しばらく心地好い感触の続きを堪能する。

視線を上げると、こちらを見ている与一と目が合った。

「・・・・・・傷の具合は、どう?」

与一の胸に頬をつけた状態のまま、藍は口を開いた。

「何か変に痺れてますが、大丈夫です」

藍はゆっくりと身体を起こし、サラシに血がついてないかを見た。
次いで、自分の足首を見る。

白く細い足首に、くっきりと浮かぶ手形。
その上に、与一の手が乗っている。

「握ってたのは、藍さんの足だったんですね」

与一が、手形が浮かぶ藍の足首をさすりながら、少し申し訳なさそうに言った。