でも、と藍は、ちょっと顔を上げて、風弥を見上げた。
見かけは与一よりも、かなり年上、三十ぐらいだろうか。
あの陰間が殺し屋として、与一が見た間諜。
おそらく、殺された男も仲間だろう。
役割がちゃんと決まっているということは、それなりの組織なのかもしれない。
が、目の前の風弥は、そういったヤクザ的な組織の親分のような風貌ではない。
身体つきは、なかなか筋肉質だが、他を威圧するようなでかさでもないし、いかつい顔でもない。
それどころか、いかにも通好みの、涼やかな顔立ちだ。
---ま、よいっちゃんには負けるけどね---
ふん、と鼻を鳴らし、藍は身体を離した。
「そうだね。無理強いしない旦那を、悪く言うもんじゃないよね」
見かけは与一よりも、かなり年上、三十ぐらいだろうか。
あの陰間が殺し屋として、与一が見た間諜。
おそらく、殺された男も仲間だろう。
役割がちゃんと決まっているということは、それなりの組織なのかもしれない。
が、目の前の風弥は、そういったヤクザ的な組織の親分のような風貌ではない。
身体つきは、なかなか筋肉質だが、他を威圧するようなでかさでもないし、いかつい顔でもない。
それどころか、いかにも通好みの、涼やかな顔立ちだ。
---ま、よいっちゃんには負けるけどね---
ふん、と鼻を鳴らし、藍は身体を離した。
「そうだね。無理強いしない旦那を、悪く言うもんじゃないよね」


