「ふふ。知りたいか。そうさな、続きは寝物語にしてやろう」

手を伸ばしながら言う風弥の言葉に、藍は弾かれたように立ち上がった。

「ごめんよ。お、俺、慣れてないし、やっぱり無理だよ。せっかくの旦那さんに、嫌われたくないし」

驚いた風弥だが、精一杯取り繕った藍の言葉にまんまと嵌められ、一つ息をつくと、いかにも大人ぶった態度で煙管をくわえ、立ち上がった。

「慣れてなきゃ、教えてやるが。嫌われたくないというお前の気持ちに免じて、今日のところは、顔合わせまでとしておこうか。心配せんでも、俺はお前が気に入った。頭も良いしな。川に浮かべるような真似はしないと、約束しよう」

「!」

軽く言った風弥の言葉に、藍は反応した。