RUN&GUN

「うおっ。ったく、白昼堂々襲うたぁ、全く見境のねぇっ･･････」

辰巳が言いながら、攻撃を避けて走り回る。

---襲われ慣れてるって感じだな---

与一は辰巳の身のこなしなどを見ながら思った。
今のように、いきなり襲われても、さほど慌てていない。
普通なら、考えられないことだ。

与一は懐に忍ばせた、エンフィールドを思った。
これを使えば、すぐに片がつく。
が、それこそ市のど真ん中で、白昼こんなものをぶっ放すわけにもいかない。
何より、ただの客の与一が、辰巳の前でいきなりエンフィールドなどを出すわけにもいかない。

幸い、敵は木から下りる気はなさそうだ。
与一のように、拳銃を持っていなければ、避けるのにそれほど難はない。
そのうち、攻撃に使っている物もなくなろう。