「すげぇな、あんた。さすが辰巳さんだ。ぴったりだよ」
与一は素直に感心した。
先日与一の足を撫で回していたのは、邪(よこしま)な想いだけではなかったようだ。
辰巳は満足そうに頷き、台と与一の足の大きさを確かめた。
「大きさは、これぐらいか。そうそう、鼻緒はどうする? 俺ぁあの辺の色目が、兄さんにゃ合うと思うが」
ああ、と与一は身体を捻って、鼻緒のほうへ顔を向けた。
その途端、脇腹に痛みが走る。
「痛(つ)うっ・・・・・・」
思わず声に出してしまい、与一は焦った。
案の定、辰巳が目を丸くして与一を見ている。
「どうしたんだい? どっか、怪我でもしていなさるのかい」
「いや、何でもない」
与一は懐手をして、ばれないように、そっと脇腹に手をやった。
濡れる感触。
どうやら身体を捻った拍子に、傷が裂けたようだ。
傷の具合を見て、とりあえず応急処置をしておきたいが、ここでは無理だ。
与一は素直に感心した。
先日与一の足を撫で回していたのは、邪(よこしま)な想いだけではなかったようだ。
辰巳は満足そうに頷き、台と与一の足の大きさを確かめた。
「大きさは、これぐらいか。そうそう、鼻緒はどうする? 俺ぁあの辺の色目が、兄さんにゃ合うと思うが」
ああ、と与一は身体を捻って、鼻緒のほうへ顔を向けた。
その途端、脇腹に痛みが走る。
「痛(つ)うっ・・・・・・」
思わず声に出してしまい、与一は焦った。
案の定、辰巳が目を丸くして与一を見ている。
「どうしたんだい? どっか、怪我でもしていなさるのかい」
「いや、何でもない」
与一は懐手をして、ばれないように、そっと脇腹に手をやった。
濡れる感触。
どうやら身体を捻った拍子に、傷が裂けたようだ。
傷の具合を見て、とりあえず応急処置をしておきたいが、ここでは無理だ。


