与一は息をつき、天井を眺めた。

お三津か・・・・・・。
どうしているだろう。

遊里の旦那に買われたということは、女郎になったということだ。
当時はわからなかったが、今ならわかる。

買われていくときに別れたっきりだが、上手くやっているのだろうか。

与一はお三津が、どこの置屋に買われたのかを知らない。
当然源氏名も知らないので、消息を知ろうにも、手がかりがない。

必死で探せば、見つからないこともないのだろうが・・・・・・。

ふぅ、とため息をつき、何気なく視線を落とした与一の目に、藍の大きな瞳が飛び込んで、彼は心の臓が止まりそうに驚いた。

「っな、何見てるんです。ていうか、起きたんなら、どいてくださいよ」