薄い障子から差し込む、妖しい紅い光。

まだ明け方近くになろうかという時刻にも関わらず、外では人の行き交う足音が響く。

---全く、夜を知らねぇ町だぜ---

薄い布団を引っ被って、不機嫌に寝返りをうった男の額が、こつんと何かに触れた。

---?---

薄目を開けた男が、目の前のものを見つめる。

伏せられた長い睫毛、少し開いた形の良い唇。
先程己の額が当たったのは、抜けるほどに白い額だ。

「・・・・・・っ!」

徐々に寝ぼけた頭が覚醒し、状況を把握した男は、勢い良く被っていた布団をはね除けて、飛び起きた。

「なぁにやってるんですか!」

男は己に寄り添って寝ていた女子(おなご)に向かって叫んだ。

男の布団に潜り込んでいたのは、色が白く、少し色素の薄い髪の、絶世の美女だ。