ジウさんが選んでくれたこの場所は、昼過ぎても木陰が十分できる木の下で、わたしは後ろの木の背にもたれ、足を投げ出し寛いでいた。

(わたしは本でも読もうかな……)

と、思ってカバンから本を取り出し姿勢を正したときだった。

「オレ、コドモ2ゴウ。ヒルネ。マキノヒザマクラ」

そんな声と共に、ジウさんの大きな頭がわたしの膝の上に降ってきた。

「キャッ!」

と、わたしは悲鳴には覚束ない、間抜けな声を出した。

「イイデショ? マキノヒザ、フワフワデキモチイイ」

そう言って、ジウさんはあたしに背を向けた。

ドキドキ……ドキドキ……

わたしは本を手にしたまま、固まって動けない。

(……なんで……そんな……どうしよう……)

そんな、わたしの緊張をよそに、どうやらジウさんもあっという間に眠ってしまったみたい。

規則正しい、呼吸の音、ずっしりとした身体の重み、その眠っている様子は双子と寸分かわらない。