初対面じゃない。 知っている顔。 そう、ちょうど1週間前… この絵に描いた桜の下で出逢った………。 「落としたよ」 「あ…ありがとう」 私が落としたカバンを拾って、落ちた弾みに出てしまった絵を眺める。 「…やっぱり、好きだな」 「えっ…」 「すっかりあんたのファンみたい」 そう言って、笑いながら私に絵を手渡す。 受け取りながらも、まだ少し状況が理解できていない。 「えっ、2人とも知り合いなの?」 「まぁ、ちょっとね」