夜、土方は彼女を待った。 その静かな空間にいると、嫌でも思い出させられることがある。 「ち…」 …右肩が疼く。 先月の戦でやられた箇所がまだ治っていないらしい。 そりゃあそうだ、鉄砲傷なのだから。 「んな怪我しちまうなんざ、情けねぇな」 このことを知っているのは榎本だけで、和早が突然あんなことを言い出さなければ明日も己が出るはずだった。 利き腕が利かないまま。