勿論、和早は最初から素性を話すつもりはなかった。 手早く任務を遂行するためには、首尾よく潜入する必要があったのだ。 「(女を雇う浪士集団なんて、どこを探してもないだろうからな…)」 女だと知った上で迎え入れて貰えるとは端から思っていなかったから、性を偽ったまま入隊を希望した。 「(あの様子からすると、土方さんは知っていたようだが…)」 とにかく、入隊さえしてしまえば女だろうが男だろうが関係ない。 実力さえ見せることができれば、それでいい──そう思った。 .