ガチャッ 力無く玄関を開ける 結局、裕に謝ることができなかった 「おかえり」 母さんの優しい声が聞こえた 俺はその声に甘えるように泣いた 母さんは俺を支えながらリビングのソファーに座らせてくれた 「門前払いされたんでしょ?」 『……うん』 「…まぁ仕方ないね、春汰はそれだけの事をしたんだから」 『……うん』 そうだ 俺は裕がこれからしたであろう恋や 見つけたであろう夢 できたであろう家族 それを俺が奪ったんだから