あれから日々が過ぎ、7月になった。
もうすぐ夏休みだ。

俺の鳴瀬への気持ちは相変わらずだし、鳴瀬の"ユウ君"への気持ちも相変わらずみたいだ。

そして鳴瀬が数学教官室に来るのはほぼ日課のようになっていた。

俺が教官室にいると鳴瀬は殆ど顔を出してきた。
そのたびに俺は浮かれるんだが…。

でももうすぐ夏休み…。
つまり鳴瀬と会えなくなる。

数学の補習を考えてみたけど、鳴瀬は補習に参加させられるような奴じゃない。

あいつは成績がずばぬけていい。

数学だけじゃない。
何で波岡学園に入ったのか不思議になるほど頭がいい。