黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「あれか、恋ってやつ?」

「なっ//」


勉強優秀なお姉ちゃんは、いつも恋愛に関して控えめ。


相談されたことはなかったけど、なんかしらよく泣いてた。


「恋、ねぇ……」

「結奈は恋しないの?//」

「あたし?したことないもん。恋ってやつがどんなもんだか知らねぇし」


するとお姉ちゃんは目を輝かせながら恋について語りだした。


「恋ってゆーのはね、胸がきゅんとなったり相手の前ですごく心臓がどきどきしたり……
胸が苦しくなったり切なくなったりするんだよ。そーゆー経験、ない?」


──純……