失神したかと思われた男はむくっと立ち 「──黒アゲハ……覚えてろ」 そう言って消え去った。 「とうとう、結奈にも通り名がついたみたいね」 京香はにこっと笑い「あとはよろしく♪」とだけ言ってバイクで去った。 ──そして今に至る、というワケ 「黒アゲハなんてかっこいいじゃない〜」 玲奈は目を輝かせて言う。 「黒アゲハ、か……」 あたしはもう、 この世界から逃げられなくなってしまった──…