自分の部屋のように出入りしている慧人の部屋。


どこも変わった様子はないけど、部屋の主はいつもと違った。




「なんて言うかさ。俺達、母親同士が仲いいからって決め付けられたようなもんじゃん」



「そんなの……関係ないじゃんか」



「関係あるよ。美琴(ミコト)は結局、今まで俺以外の男子とはまともに話さないで来ちゃったし、それって問題じゃね?」



「男の友達だっているじゃん。卓真とか莉玖とか……」



「それ友達のカレシとつるんでるヤツだろ?お前は自動的に話すようになって仲良くなっただけ」



「だから、それが何だっツーの?」




いつもみたいな些細な喧嘩っていうワケでもなく、突然始まった話し合いに目をぱちくりさせる。



私は島根美琴(シマネ ミコト)。



今年で二十歳になる大学二年生。



目の前にいる男が、私の幼馴染の慧人(ケイト)。




こんな話し合いの途中でナンですが、期待通りにイケメンに育った同い年のカレシ。



でも顔が良いから好きってワケじゃなくて、もう物心ついた時から好きで。



当たり前で。