「あ、やべっ体育館行くぞ」 袖を上げて腕時計を見た純が私の背を押す 「た、体育館?何で?」 「加島がライブ出るんだってさ」 もう始まる と付け足して彼は私の手を引く それは 手を繋いでるなんて思わせない程 ごく自然な流れだった。 純はきっと急いでたから手を引いただけだろうけど 私は違った。 私の手を包む 大きくて骨ばった男らしい手 ごつごつして いかにも喧嘩慣れしていそうだ。 純はこの手で すごく悪い事をしてきたのかな… そう思うと何故か寂しい気持ちになった。