連日降り続いた雨が上がり
雲の切れ間からは久しぶりだと太陽が顔を覗かせる。
「もうすぐ夏休みかぁ〜」
ド派手なピンクのTシャツを着た建斗が 窓の外を見上げて言う。
女の私でさえ似合わないだろう色を 彼は簡単に着こなしてみせる
今日は 前髪を括るシュシュまで合わせてピンク色だ。
「林家パー子みたいだね」
「パー子て…せめて男やねんからペーにしてくれや」
そういう問題なの?
思いつつ、毎日変わる建斗の格好に 私は感心してしまう。
私もいい加減 髪型変えようかな
伸ばしっぱなしのミディアムロング 黒寄りの茶髪
万年同じ髪型…
少しは建斗を見習わなくては。
「あ〜、あっちー」
第二ボタンまで開けた襟元を掴んでパタパタしながら やっと登校して来た純。
もはや遅刻常習犯
彼が二時間目の休み時間に来るのが当り前になっていた。
開けられた胸元が 妙に色っぽくて ドキッとした
この人は 登校早々私の心を掴んでしまうらしい。

