怖い!なに!? ひたすら俯いてびくびくする私に 「あげる」 そう言って目の前に手を差し出した彼 ……へ…? 意味が分からないまま とりあえず手を出す私 ふわり、一枚の桜の花びらが私の手の平にのった …え?え? 余計に意味が分からず顔を上げたが 彼は既に校舎の方へと歩き出してしまっていた。 なに、あの人… 暫く彼の背中を見つめていたが、重大な事に気付いて私は慌てて走りだす。 「やばい、遅刻っ!」