「山瀬 亜紀」
名前が呼ばれ、壇上に上がって卒業証書を受け取る。
「おめでとう」
そう言って微笑む校長先生。
ああ
本当に今日 卒業なんだなって実感させられた。
式が終わり、教室に戻ると 担任の先生の話を聞く。
クラスの中では すすり泣く声も聞こえてきた。
「みんな、元気でしっかりやるんだぞ」
先生のその言葉を最後に
解散になった。
その後は 皆写真を撮ったり卒業アルバムに寄せ書きを書いたりして…
やっぱり寂しくて
皆もすぐには帰れないみたいだった。
私は一足先に教室を出ると
建斗とさくらと優也が廊下で待っていた。
「パァーっとカラオケでも行こやっ!」
こんな時でも景気のいい男。
建斗は本当に しんみりした雰囲気が似合わないね。
「いいねっ行こう行こう!」
さくらも ぱっと明るい笑顔を見せる。
「建斗は本当に楽しい事しか頭にないんだな」
羨ましい と笑う優也。
私も優也と全くの同意見だよ。
荷物が多いからと
一度家に帰って
後から皆集合する事になった。

