唇と唇がもう何mmしかない程度。 「大丈夫。しないから。」 加賀くんがそういってにっこり笑ってくれた。 そして私は白いドレスで 鼻が見えるくらいまで顔を隠して 劇は終了した。 「あんな演出あったっけ?」 加賀君に言われてそっと言ってみた。 「あっちのほうがロマンチックでしょ?」 「なるほどな。やるじゃん!」 そういってなでてくれた加賀くんの手。 すっごくやさしくてやわらかかった。