隼人さんに電話をかける


『優衣。お母さんは大丈夫?』

隼人さんの優しい声を聞き
抑えていた感情が溢れてしまう

「隼人…さん」

電話でもバレバレな涙声

『どうしたの?優衣?大丈夫?』
「隼人さんに聞いて欲しい事があって…ここだと言えないので、今から仕事に行きます」
『分かった。俺ももうマンションに戻るから』

リビングに戻りお母さんを探すと、ソファに寝そべり目を閉じていた

「お母さん、仕事行ってくるね」

起こさない様に呟き
家を出て、隼人さんのマンションに向かう

歩きながらお母さんにメッセージを送信

"お父さんが帰る時間には私も帰ります
夕飯はお弁当を買って帰るから
ご飯の支度しなくていいから休んでて"


まだ15時

まだ暑さの残る初秋だけど
今日は何故か、風が冷たく感じる