頼まれた支払等を済ませ、百貨店催事スペースに設営された個展へ戻る。




会場にはもうお客様が沢山いらっしゃっていた。



「こんなに見に来るの…」




かなり失礼な独り言を呟き、辺りを見回した。



隼人さんって、もしかして、私の想像以上に有名人?



多分、私が無知なだけなんだろうけど。




それにしても、お客様の数にも驚いたのに。




目に留まった隼人さんは、なんと、報道陣の取材を受けていた。




「…うそ。」



呆気にとられながら、もちろん声をかける訳にもいかず。

一人バックヤードでパンフレットの整理等を始めた。