長い間、共に過ごして、 そう気付いた。 だから、 紘夜様戻られる事も、この食事を口にする事も、ない。 「じゃあ、そのパンとおかず、私に下さい」 「え?」 実織様が二人分食べて下さるというのでしょうか? それはそれで、無駄にならずにすみますが…… そんな事を思っていると、実織様は紘夜様の分のお皿を持って、 「キッチン、貸して下さい」 そう告げると、厨房に続く奥の部屋へと入って行く。 「え?み、実織様?」 さすがに私は慌てて実織様の後を追いかけ、厨房に向かった。