「ようするに、どっちも引かないってことらしいよ? 君も大変なヤツに好かれた様だね」 そう囁く吉水さんの声を聞いたような、気がした。 深い、 深い、眠りの中で思い出す。 不味い血の味のする、ざらついたキス。 思い出すと、 泣きたくなる。 でも悔しいから、 泣きたくなくて、こらえる。 そうしてると、 思い出す。 甘い匂いのする、熱を感じる強引なキス。 それは、 力強くて、 熱を帯びていて、 甘く、 とけてしまうような、 とけてしまいたくなるような、 キスだった。