† ー準ー †


実織、どこに行った?


携帯は繋がらない。
バイト先に行ったら、7時にはあがったと聞いた。

遅くなるときはいつも連絡をくれていた実織が、
何も言わずに遅くなるなんて、ありえない。


「…どこにいったんだ…実織」


思わずそう呟くと、
目の前のメイド服の女が、ハッと顔を上げ、

しばらく何か考えるように視線が宙を彷徨う。

少しすると、
スッと、
屋敷内への道を塞いでいた体をよけ、


「…もしかしたら、紘夜様から連絡があるかもしれません。よろしければ、こちらでお待ちになってはいかがですか?」


俺を招くように、
彼女の手が屋敷内へと示した。


どうする?

心当たりはもう探し尽くした。


あとは、

繋がるところと言えば、真影だけだ。