ピンポーン。


朝7時45分。


昨日と同じくインターホンが鳴った。


ガチャ。


「おはよう。今日もいいコだね。よしよし。」

私は頭を撫でてあげる。

あの約束から10年。


お互い17才になった今も続く関係。


「わんっ。ハナのために来たよ。」

色素の薄い髪のペット。
それがケンちゃん。

「学校、行こうか。」


歩きながら、話をする。

「ケンちゃん、また告られたんだって??」


最近、聞いた噂をケンちゃんに確認してみた。


ケンちゃんを見ると、きょとんとしている。


「よく知ってるね。もう噂が流れてるんだぁ。」

『純心無垢』『無邪気』そんな言葉が似合う笑顔。


「付き合うの??」


「ううん。付き合わないよ。僕の好きなコじゃないから。」


「あっそう。」


少し冷たく返事をする。

「何か怒ってる?」


心配になったのか顔をのぞきこまれた。