「お先に失礼します」
夕方7時過ぎ。
職員室には先生方の姿はほとんどなく、
ボードに置かれている自分の名前を外し、
入口にいた事務の員に挨拶をして部屋を出た。
春から夏にかけてこのこの時間帯は
じわじわと暑さを伴ってくる。
ふと上を見上げると、
三日月が寂しそうに輝いている。
その近くには小さな星達。
昔誰かが言っていた。
死んだ人は星になると。
もし、それが本当だとしたら。
母さんや響夜もあそこにいるんだろうか。
「なんてな」
考えておかしくなる。
いつからこんな考え方をするようになったんだか。


