桜の花が舞う頃に




目の前にいるこの男の子がしかも“きょうや”と
いう名前の男の子が現れた事が

どうしても偶然信じられなくて。


「どうした?」

目を合わせられない。


「ううん、何でもない」

嘘。


本当は今すごく動揺してる。

“きょうや”

その名前を聞いただけで。

こんなに心臓バクバクしてる。



目の前で何も知らず、ニコッと笑顔を見せる
この男の子を見ながら


震える手で彼の手を握り返した。