桜の花が舞う頃に



「先生が救われるなら私何でもできます。死ぬことだって」

「ちょっと待てそれは!」

「だって、先生の苦しむ顔、私だって見たくないもの。私が
いなくなる事で先生が少しでも楽になるなら」

演技...じゃない?


「ねぇ先生教えて下さい!私はどうしたらいいんですか?」


白衣にしがみ付きながらも必死に質問する妃。

真剣なまなざし。

次から次へと頬を伝って行く涙。


これは演技なんかじゃない。


「妃、もしお前の言ってる事が正しいとしたら。
それを愁夜に伝えないといけねぇな」

「正しいって?」

「お前の気持ちだよ。あの時本当は逃げたんじゃなくて、助けようとしたってこと」

「でも」

「お前警察には言ったのか?」

「はい、言いました」

ってことは愁夜の母さんがちゃんと聞いてなかったのか?

それとも―――

分かんねぇな

もう10年以上前の事をこれから調べたって何も出ては来ないだろうけど。


でも可能性はゼロじゃない。


「妃、とりあえずお前が美麗だって事、黙っとけよ」

「え?どうして?」