桜の花が舞う頃に



「妃」

「いつもいつも夢の中に響夜君のお母さんが出てくるんです。返してって私のあの子を返して!って、その泣き顔を見る度心臓が痛くなるんです。
そして気付けば後悔ばかりが残っていました。どうしてもっと早く助けを呼ばなかったのかって..もし早く助けを呼べたら..そしたら響夜君は..助かって」


「ちょっと待った、それどういう意味だ?」


両手を妃の前に出してストップをかける。


そしてもう一度自分の頭の中を整理する。


ちょっと待てよ、

あの時愁夜から確かに聞いたんだ。


「みれいは響夜を残して逃げ去った」と。


混乱する過去。


妃が嘘をついている?

いや、それは違うだろう。


目の前でこうやって泣きじゃくってるコイツに

嘘なんか付けるわけはない。

それとも、これは演技なのか?


「先生、私が死ねば海咲先生は救われますか?」

「妃..お前」