桜の花が舞う頃に



不思議。

先生の一言でこんなにも気持ちが満たされていく。



「以前は教師じゃなかったって言ったよね」

先生は頭から手を離すと再び空を見上げた。

「はい、会社員だったんですよね」

実は少しだけ気になっていた。


よっぽど先生になりたかったのかなって

あの時はそう思ったけど。



「俺はある目的の為に此処に来たんだ」

「目的、ですか?」

「そう。そいつのせいで僕の家族はめちゃめちゃにされたんだ」


先生。

人は誰でも悲しい過去を持っているって
何かで聞いたことがあったけど。

先生のこの悲しそうな顔は

きっと沢山辛い思いをしてきたんだっていうのが伝わってくる。


私のせいで死んでしまった男の子の家族もそうだ。


きっと私を怨んでいるに違いない。

殺してやりたいほど憎んでるはず。

どうして私が生きているんだって

きっと思っているはず。



「君は“みれい”という生徒を知ってるかい?」

「え・・?」