桜の花が舞う頃に


ピンク色の可愛らしい花は

今日は風に揺られる事無くしっかりと開いたままだ。



「うん。僕も僕の家族も好きだったんだ」



何処か遠い目をする先生。

それは少しだけ寂しそうで。

その理由が知りたくてつい

「先生のご家族は近くに住んでいるんですか?」

そう質問してしまった。


「もういないんだ。今は一人だよ」

先生はその優しい声のまま答えてくれた。


余計な事を聞いちゃったな・・


「すみません」

すぐさま謝る。

「どうして謝るの?」

「先生、悲しそうな顔してるから」

「ううん、いいんだ」


優しくポンポンと頭を二度撫でる。


大きくて温かい手。

その手に心まで温かくなる。