桜の花が舞う頃に



昨夜遅くまでパソコンをいじってみたけれど。

結局“みれい”という少女を見付ける事が出来なかった。

というよりも生徒の情報は担当教師、または担任以外には
公開されない事になっているため捜しだす事は出来ない。


ここはかなり面倒だけど


「地道に捜せって事だよな」


でもそちらの方がやりがいはある。

すぐに見付けてしまったら面白くないからな。



鍵を開けて窓を開くと、そこから春の優しい風が
頬を撫でた。


それと同時に

この前出会った生徒がふとよみがえった。


透き通るくらいの白い肌。

まだ幼さが残る顔立ち。

細い体。


彼女は桜の花びらが舞う瞬間を

ただじっと見上げていた。


ピンク色の可愛らしい姿に見とれるように。


彼女の名前を聞かなかった、というよりは

聞けなかった、という方が正しいかもしれない。


何故かは分からない。


ただもし彼女が“みれい”だったら―――

そう思うと、彼女の事を知りたくないように感じた。